新年あけましておめでとうございます。
旧年中はたいへんお世話になりました。
本年もよろしくお願い申し上げます。
株式会社エーティーケー
鉄およびステンレスの各種 鋼管/鋼材 の加工販売
新年あけましておめでとうございます。
旧年中はたいへんお世話になりました。
本年もよろしくお願い申し上げます。
株式会社エーティーケー
2023年の最終営業日になる12/29に毎年恒例の決算発表会と自己査定会を行いました。
この規模の企業で決算の内容を事細かく全社員に説明するのは珍しいと思いますが、一年間自分達がやってきた事の結果を振り返って、現在の状況とこれからの方向性を確認する上で重要な行事となっています。
もう一つの意味は、全社員による経営者の査定です。
上場企業であれば株主が目を光らせていますが、非公開企業では株主=経営者の構図が多いので曖昧になりがちです。そこで上場企業の株主の役割を全社員に担ってもらって、経営の緊張感を維持しています。
もちろん社員は決算書を読み込むプロではないので、数字を見ただけではわからない数字の意味や背景をグラフや事例を使って説明させていただくのですが、その資料作りの過程が現在の状況を知る分析にもなるので一石二鳥です。
それが終わった後に各社員が一年の振り返りを兼ねた自己査定を行いました。
その後は大掃除をしてから納会を兼ねた忘年会へ。いつもの事ですが、各テーブルで熱い話が繰り広げられていました。あらためて上下関係なく何でも言い合える距離感が、この会社の一番いいところだと感じました。
今年も一年なんとか乗り切る事が出来ましたが、年末には来年の厳しさを予感させる様々な悪いニュースが飛び込んできました。更に来年は2024年問題と言われている運送業界と建築業界の混乱が予想されますので、よりいっそう気を引き締めて挑まなければいけません。
なにはともあれ、今年一年たいへんお世話になりました。
来年もよろしくお願い申し上げます。
先日、当社の業務システムに大きな変更がありました。
もともとは災害時のBCP対策として進めていた事ですが、11月からリアル空間とクラウド空間の間で業務用データベースが同期保存されるようになりました。以前から固定電話のシステムや業務管理ソフトの運用はクラウド上で行われていたので、今回のデータベースの同期化によりクラウド版のエーティーケーが完成しました。
そして、これにより事務所内作業のほぼ全てが場所と時間から解放されました。特に影響が大きいのが営業業務です。外出先からでも電話の応答、FAXの送受信や過去の受注履歴の確認、現場の加工予定や加工履歴を確認する事が可能になったので、その気になれば全く会社に来なくても仕事が出来る状態になりました。
ただ、おそらく今まで顔を突き合わせながら仕事をしていた人達が、完全にこの環境を使いこなす事は難しいと思います。なぜなら、今の環境が今の仕事の進め方にフィットしているからです。それがうまくいっていないならともかく、特に問題があると感じていない状態で敢えて環境を変える事はやらないでしょう。
したがって、この新しい環境を有効に活用するには、新しい事業や新しい人材を前提にする必要があるでしょう。そして、そこに出来上がるのはリアル空間とは全く別の動きをするパラレル空間に存在するエーティーケーです。
このパラレル企業が、今後どのような成長を見せるのかが楽しみです。
8月は戦時中に亡くなった人達を追悼する行事が多いので、一年の中でも平和を意識する機会が多いと思います。
私の場合は広島に投下された原爆や太平洋戦争で親戚を数名亡くしているので、毎年、何かしらの思いを感じながらその日を迎えます。それも2世代前の出来事だからこそなのかも知れませんが…。
現在、ロシアとウクライナの間で激しい戦争が行われています。日本にはメディアから伝わる情報しか入って来ないので、そこで暮らす人達の情報は深く伝わっては来ません。そのせいなのか、現場は凄惨な状況になっているはずなのですが、どこか別の空間で起こっている事のように感じてしまうのです。もしかしたら、戦地に近いヨーロッパですらそうなのかもしれません。
今の時代はメディアからの情報だけでなく、SNSやインターネット等など様々な視点からの情報が手に入ります。ただ、何かを通した情報には何らかのフィルターがかかっている事は自覚しておいた方がいいと思います。増して、フェイクNEWSがどこに存在しているのかわかり難くなっている現在は、なおの事です。
インターネット環境は、人々の「知る権利」を拡大しました。その恩恵にあずかっている人は世界中にたくさんいると思います。ただ、その結果、知らなくてもいい事まで知ってしまう世の中になってしまいました。
果たして、それはいい事なのでしょうか?
もしかしたら、自分が手の届く範囲の情報しか知らない方が、いろんな意味で平和なのかも知れません。
ある特定の業種の方々の中では非常に注目されている問題であるにも関わらず、世間一般的にはあまり知られていない問題として「2025年の崖」というものがあります。
これを聞いてピンと来た人は、おそらく何らかの対処を考えている方だと思いますが、ほとんどの人にとっては「何の崖?」と言った反応ではないでしょうか?
これは経済産業省の「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」で提示された言葉です。
今の世の中、あちらこちらでDXという言葉が飛び交っていますが、実態はただのデジタル化に留まっている企業がほとんどだと感じます。
DXとはデジタル化をきっかけにシステム全般を再構築して新たな収益構造を創り出すことです。要するに既存のシステムの革新とセットで考えるべき事なのですが、それをできる人材が乏しいため結局はただのデジタル化で満足して、何の変革も生み出せていない企業が多く存在します。
そして、そのリミットが2025年に訪れると言われています。
弊社でもここ数年、様々な工程をデジタル化してきました。正直、これだけでもお腹いっぱいになっている人もいると思うのですが、本格的なDXはこれからです。
その先には全く違う景色が広がります。
現時点で、それが見えている人はほとんどいませんが…。
少子化の影響が学校経営に直接影響を与えるようになってきました。
2023.6.19 日本経済新聞「余る大学、2040年に「240校」 想定超す少子化が迫る淘汰」
いずれこのような事態になる事はわかっていた事なので、それほど驚く記事ではありませんが、あらためてこのスピード感で自分達が関わる市場も縮小していくことを考えると恐怖すら感じます。
当然、大手製造メーカーはメインの市場を海外へ移すので、生産を国内に限定する事にはリスクを伴います。その結果、国内で製造するものは他の地域よりも「安く・安定的」に作られる物に限定されていくでしょう。そこには賃金や人材確保の問題も絡んでくるので、負のスパイラルが加速していくと思われます。
とは言え、悲観ばかりしていてもしょうがないので、自分達が生きている時代はそんな時代だと割り切って、その環境を楽しむぐらいが丁度いいのかも知れません。
今まで日本人が経験したことがない急激な市場縮小の時代を体感できる幸せもあるかも知れませんよ。
ジェットコースターのようにレールは有りませんけど…。
外国人材確保の流れが少しずつ明確になって来ました。
6/11 日本経済新聞:特定技能2号拡大、「家族呼べる」期待 定住へ支援必要
そもそもの話は人材不足が理由になるのですが、もう少し深堀すると人材不足になる理由に問題があるような気がします。
なぜなら、基本的に不足しているのは「安く働いてくれる人」のパターンが多いからです。なぜ、そうなるのかと考えたら企業が利益を確保できないからであり、更に言えば、企業の経営能力や業界の構造にまで話が移っていきます。
今回の制度改正で多少人材確保がしやすくなるのかも知れませんが、彼らや彼女達がいつまでも低賃金で働き続けてくれると考えるのは夢物語だと思います。
根本的な問題を解決しなければ同じ問題が繰返されるだけであり、その場しのぎの解決を続けていると、いずれ対応しきれない大きな問題に発展する可能性が高いのではないでしょうか?
新しい資本主義の旗印のもと、働き方に置いて様々な改革が進んでいます。
6/5 日本経済新聞 終身雇用ありきの退職金 政府が是正、税制と規則一体で
そもそも終身雇用を企業の制度として掲げている企業はないと思いますが、結果として終身雇用の状態になっていた人がほとんどだと思います。
文脈上、まるで終身雇用が悪いように書かれている記事が多いですが、本来であれば、同じ会社に長く務める事が出来るのは素晴らしい事です。問題は、そこに安住して成長を怠る個人や組織の方にあるので、そちらの方をもっと改善出来ればいいのになぁ…と思いますが、それが出来ないから社員の流動化で新しい血を呼び込もうとしているのでしょう。
ちなみに終身雇用を前提とした新卒採用を主にしていた企業からは「新卒の方が自社の文化に染まりやすい」ことを採用の理由にしている言葉をよく聞きます。この「仕事を覚えやすい」ことよりも「文化に染まりやすい」ことを優先することが、終身雇用と呼ばれる環境の源泉であるような気がします。
一方、近年流行りのジョブ型と呼ばれる働き方を志望する人達は「文化に染まる」ことよりも「仕事を覚える」ことを優先します。このミスマッチが転職者がひたすら転職を繰り返すループに陥る原因の一つになっているのかも知れません。
退職金制度等が終身雇用ありきでなくなることは良い事だと思います。
ただし、人材の流動化を目的とするのであれば、企業経営者の平均年齢が20歳ほど若返る必要があるでしょう。変わらなければならないのは、社員よりも企業文化の方です。
経営に関する本や雑誌を眺めていると数年毎に流行語のような言葉を目にすることがよくあります。ここ最近ではAIでしょうが、少し前ならメタバースでしょうか?
そのような媒体は、いかにもすぐに取り入れなければ時代に取り残されるかのように囃し立てますが、得てして流行は所詮流行なわけで、数年経つと全く耳にすることがなくなることもしばしばです。
そんな中の言葉の一つにコア・コンピタンスと言う言葉があります。リストラやリ・エンジニアリングなどの言葉が盛んに使われていた時期によく耳にした言葉です。別にこの言葉自体に流行の意味合いはなく、非常に重要な意味の言葉なのですが、何となく忘れ去られ気味になっているような気がします。
数か月前から弊社では切断業務の工程管理をクラウド化して、リアルタイムの作業工程をスマホやタブレットでどこからでも確認できるようにしました。その結果、改めて判ったことがあります。
それは弊社が受注している仕事の70%が1週間以内の短納期であり、且つ全体の70%が少ロット製品であると言うことでした。正直、弊社の受注内容に少ロット短納期が多いことは認知していましたが、まさかそこまでその割合が多いとは思っていませんでした。
それをこなすために現場で行われている事が、まさに弊社のコア・コンピタンスです。
通常、複合的な加工を行う場合は、ある程度一つ一つの工程の繋ぎの部分に多少の時間的余裕を設けるのが通常の現場です。それはトラブル発生時の調整に使うための時間でもあります。その隙間時間を極力なくした生産方式がトヨタ生産方式ですが、これは量産メーカーの計画生産だからこそできる事です。
弊社の場合、その隙間時間を無くす方法として特殊な環境が出来上がっています。面白い事にそれをやっている本人達は、自分達がやっている事の特殊性に気が付いていません。
工場内では加工を行う技術や機械を動かすオペレーション技術に脚光が当たる事が多いため、工程間を繋ぐ技術は無視されがちです。しかし、それが弊社のコア・コンピタンスであり、重要な文化の一つでもあります。
ケガをしなければ血液が体内を流れていることを意識する事はありませんが、血液が流れなければ臓器は機能しません。当たり前なことほど、見えない。そして、当たり前だからこそ大事なことがあります。
昭和の時代に生まれた人達は、「よく勉強して、いい学校へ入って、いい会社へ就職する」ことが、生きていく上での勝ちパターンだと暗示をかけられながら育った人が多いと思います。ここで言う「いい学校」とは偏差値の高い学校であり、「いい会社」とは大企業をさしていました。
ところが、バブル崩壊後の経済の低成長と社会構造の変化の中で「いい会社=大企業」の公式はジワジワと崩れてきました。特に最近は、大企業とは対極にある個人事業主としての成功を目指す若者の声をよく聞きます。そう言った意味では「集団」よりも「個性」を重視した教育改革の結果が反映されるようになってきたのかも知れません。
そして、今「いい学校」の定義が崩れかけています。それは大規模言語モデル(LLM)をベースとしたAIの急激な進化が背景にあります。今や難関校の入試の上位10%以内に入ることも可能になったと言われていますが、それにより「いい学校」を偏差値で測ることが難しくなる可能性が出てきました。そこで困るのが学校側です。何をもって受験生が集まる学校にしていくのか?何をもって受験生を選別するのか?そして、何を教えるのか?など、非常に難しい課題を突き付けられることになりそうです。
教育が変われば、社会も変わります。社会が変われば、働き方も変わります。将来、AIと共存して成長した人達は、今の時代を生きる我々とは全く違う価値観になるでしょう。
ただ、この変化を心配しても無駄なことです。馬車が走り回っている時代を自動車が変え、そろばんで計算していた時代をコンピュータが変えたように便利なものは黙っていても普及します。
結局のところ、「いい人」である事が時代の変化を生き抜いていくのに一番必要な事なのかも知れませんね。