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マニアック素材 STKM

鋼材選び・JIS規格

STKMとは?SGP・STKとの違いをJIS規格から徹底解説
—機械構造用炭素鋼鋼管の選び方ガイド

2026年4月27日 | ATKブログ編集部

「パイプを仕入れたいけど、STKMとSTKとSGP、どれを選べばいいかわからない」——こうした声を製造業・建設業の現場でよく耳にします。この記事ではJIS規格の視点からSTKMの特徴を整理し、用途に合った鋼管の選び方を解説します。

1. STKMとは何か?JIS規格の基礎知識

STKMとは、JIS G 3445「機械構造用炭素鋼鋼管」の規格記号です。「Machine Structural Carbon Steel Tubes」の頭文字に由来し、機械・装置・構造物の部品として使われる精密な鋼管を指します。

STKMには1種(STKM 1A・1C)から18種(STKM 18A・18B・18C)まで13種類が規定されており、末尾のアルファベットで製造方法(熱間仕上げ・冷間仕上げ)を区別します。鋼管の中でも寸法精度・表面品質に優れ、旋盤・溶接などの後加工を前提とした素材として採用されます。

STKMの種類別・最小引張強さ(N/mm²)比較 0 300 600 900 11A 290 13A 370 13C 510 15A 470 16A 510 18A 590 熱間仕上げ(A) 冷間仕上げ(C)

2. SGP・STK・STKMの違いを一覧比較

現場でよく混同される3種類の鋼管を、JIS規格・用途・特性の観点で比較します。

規格記号 JIS規格 主な用途 寸法精度 強度 特徴
STKM JIS G 3445 機械部品・シリンダー・構造部材 ◎ 高精度 290〜590 N/mm²(種類による) 後加工対応・寸法安定性に優れる
STK JIS G 3444 建築構造・土木・支柱 ○ 標準 290〜540 N/mm² 構造用途向け・比較的安価
SGP JIS G 3452 配管(水・ガス・空気) △ 配管用 規定なし(配管圧力管理) 流体輸送専用・ねじ切り対応

ポイントは「用途が機械加工や精密構造部材ならSTKM、建築・土木の構造用ならSTK、流体配管ならSGP」という基本軸です。誤った規格を選ぶと、加工精度の不足や強度不足につながります。

3. STKMの種類(11〜18)の選び方

3-1. 種類番号の意味

STKMの後ろの数字は鋼の炭素量・強度グレードを示します。数字が大きいほど炭素量が多く、引張強さが高くなります。一方で溶接性は炭素量が増えるほど低下する傾向があります。

製造方法(A/B/C)の違い:
A(熱間仕上げ):スケールあり、コスト低め、一般構造・軸受け台座など
B(熱間仕上げ焼鈍):柔軟性向上、曲げ加工向け
C(冷間仕上げ):寸法精度◎、表面品質◎、精密機械部品向け

3-2. 用途別おすすめ種類

  • STKM 11A:軽量部品・一般溶接構造物。低炭素で溶接しやすい入門グレード
  • STKM 13A/13C:最も流通量が多い汎用グレード。シリンダー・シャフト・一般機械部品に最適
  • STKM 15A:自動車・産業機械の強度が求められる部品に使用
  • STKM 16A:高強度かつ切削加工性にも優れるバランス型
  • STKM 18A:高負荷環境(プレス機部品・油圧シリンダー)向けの最高強度グレード

4. STKMの寸法・外径・肉厚の選び方

STKMはJIS G 3445の附属書に規定された外径(OD)×肉厚(t)の組み合わせで供給されます。外径は6.35mm〜165.2mmまで、肉厚は0.7mm〜12mmまで多様な寸法があります。

選定時の基本ステップは、①必要な内径(ボア径)を決める → ②設計強度から肉厚を計算(板厚計算式: t = PD/2S) → ③JIS規格の標準寸法から最近傍を選ぶ、という順序です。

用途別 STKM選定フローチャート 鋼管が必要 流体配管用途? YES SGP を選ぶ NO 建築構造・ 土木用途? YES STK を選ぶ NO STKM を選ぶ (機械部品・精密加工)

5. STKMの調達・加工で注意すべきポイント

5-1. 表面処理と防錆

STKMは鉄鋼素材のため、露出環境では錆が発生します。用途に応じてメッキ(ユニクロ・三価クロム)、塗装、焼付け塗装などを検討してください。ステンレス鋼管(SUS304)への置き換えが有効なケースも多くあります。

5-2. 溶接性の管理

STKM 13C・15A以上の高強度グレードは炭素当量が高く、溶接時に低水素系溶接棒の使用と予熱管理が必要です。現場での無計画な溶接は割れのリスクがあります。設計段階で溶接可能な種類を選ぶことが重要です。

5-3. 公差と寸法管理

冷間仕上げ(C種)は外径・内径ともに寸法精度が高く、油圧シリンダーや精密軸受けに向いています。熱間仕上げ(A種)は若干の寸法バラつきがありますが、コストが低く流通量が多いため、精度要件が緩い用途に適しています。

6. まとめ:鋼管選びの3ステップ

  • ステップ1:用途を確認する——配管か?構造か?機械部品か?まずここで大分類
  • ステップ2:強度と加工方法を決める——溶接・切削・曲げなど後加工から種類番号と製法(A/B/C)を選定
  • ステップ3:寸法・在庫・コストを照合する——JIS標準寸法の中から設計値に近いものを選ぶ

鋼管の選定は一見複雑に見えますが、「SGP=配管、STK=構造、STKM=機械部品」という基本軸を押さえれば、多くのケースで迷わず選択できます。ATKでは各種鋼管・パイプの在庫品を取り扱っており、ご要望の寸法・種類に応じてご対応します。

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