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つまらぬ物を切ってしまった…とならないように。

そのパイプ、どう切る? ―旋盤・プレス・チップソー・バンドソー、切断機の使い分け

2026年06月29日|ATK blog weekly(加工深堀りシリーズ)

執筆:ATKブログ編集部|金属素材を扱う現場の視点でお届けしています

この記事の結論(先にお伝えします)

パイプの切断は、「径・厚み・形(丸/角/異形)・数量・斜め切りの有無」で機械を選ぶのが基本です。薄肉・小径を潰さず切るなら旋盤切断機(モリ式)、角パイプを速く量産するならプレス切断機、斜め切りや少ロット多品種なら超硬チップソー切断機、大径・厚肉の重量物ならバンドソー切断機が適しています。

3行でわかる要点

  • 切断方法は「径・厚み・形・数量・斜め切りの有無」で選び分ける。
  • 旋盤=薄肉小径を潰さず/プレス=角パイプ量産/チップソー=斜め切り・多品種/バンドソー=大径厚肉。
  • 発注時に「材質・サイズ・長さ・数量・斜め切り・面取りの要否」を伝えると、ムダなく最適な機械を選べる。

「このパイプを◯mmで切ってほしい」――ひと口に切断と言っても、現場には切断機が4種類あり、選び方ひとつでコストも仕上がりも納期も変わります。先日も「とりあえずきれいに切って」とご依頼をいただきましたが、よく伺うと薄肉の小径パイプ。潰さず切れて面取りも同時にできる方法がありますよ、とご提案したことがありました。今回は、鉄・ステンレスの鋼管/鋼材を切る代表的な4つの切断機を、現場目線で整理してみます。

なぜ切断機が4種類もあるのか

パイプは、径・厚み・形(丸/角/異形)・量産か少量か・斜め切りの有無といった条件によって、適した機械が変わります。薄肉の小径パイプを潰さず切りたいのか、角パイプを大量に速く切りたいのか、大径の厚肉を切りたいのか――求めるものが違えば、最適な一台も違ってきます。だからこそ1台にまとめず、目的ごとに使い分けるわけです。

代表的な4つの切断機と特徴

① 旋盤切断機(モリ式):回転させたパイプに刃物を当て、削りながら切る方式です。薄肉・小径(φ8〜φ63.5)を変形させずに切断でき、しかも切断と同時に外周の面取りまでできるのが利点。量産にも対応します。

② プレス切断機:角パイプ向けの方式で、圧倒的な切断スピードが魅力。切断時に切粉が出ないため、切粉除去などの後処理が不要です。同じ形を数多く切る量産品で本領を発揮します。

③ 超硬チップソー切断機:丸・角・異形管に幅広く対応し、25°〜90°の斜め切りができて切断面もきれい。さまざまな形状に対応できるので、少ロット多品種の加工に重宝します。

④ バンドソー切断機:他の機械では切れない大径・厚肉・重量物(φ40〜φ260 ほか)を切るための方式です。スピードや仕上がり精度は他に劣りますが、厚い材料や重い材料を切る場面で頼りになります。

ひと目でわかる比較表

切断機 対応品種 対応サイズ(目安) 向いている用途
旋盤切断機(モリ式) 丸パイプ φ8〜φ63.5 薄肉・小径を潰さず切断/同時に外周面取り/量産対応
プレス切断機 角パイプ 9×9〜50×50 ほか 圧倒的なスピード/切粉が出ない/量産
超硬チップソー切断機 丸・角・異形管 φ10〜φ140 ほか 斜め切り25°〜90°/切断面がきれい/少ロット多品種
バンドソー切断機 丸・角・各種形鋼 φ40〜φ260 ほか 大径・厚肉・重量物の切断

出典:ATK「切断加工」ページの加工特性をもとに作成。

選ぶときのコツ ―最初に伝えたい5つの情報

失敗しないコツは、発注時に「材質・サイズ・切断長さ・数量・斜め切りや面取りの要否」を添えていただくこと。この5点があれば、私たちも過剰品質や納期のムダを避けて、最適な切断機をご提案できます。特に「薄肉を潰したくない」「角度を付けて切りたい」は機械選定を大きく左右するので、ぜひ最初にお伝えください。数量も重要で、まとまった数なら量産向きの機械でトータルコストが下がるケースが多いです。「これは切れる?」と迷ったら、用途を伺えば見当をつけられますので、まずはご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 薄肉・小径のパイプを潰さずに切断できますか?

A. 旋盤切断機(モリ式)が適しています。削りながら切断するため変形させずに切れ、外周の面取りも同時に行えます。

Q. 斜め切り(角度切断)はできますか?

A. 超硬チップソー切断機で25°〜90°の斜め切りに対応します。切断面もきれいに仕上がります。

Q. 大径・厚肉の重量物も切れますか?

A. バンドソー切断機が対応します。スピードや精度は他方式に劣りますが、厚い材料・重い材料の切断に向いています。