夏の甲子園、あの「キーン!」は“パイプ”の音 ―金属バットのヒミツ
2026年7月27日|ATK blog weekly
執筆:ATKブログ編集部|金属素材を扱う現場の視点でお届けしています
この記事の結論(先にお伝えします)
金属バットの正体は、アルミを筒状に加工した「パイプ」です。中が空洞だから、打つ瞬間にバットがわずかにへこんでボールを弾き返す「トランポリン効果」が働きます。あの「キーン!」という音も、中が空洞の金属だからこそ響くもの。私たちが扱う鋼管とは、じつは親戚みたいな存在なんです。
3行でわかる要点
- 金属バットはアルミのパイプ(中が空洞の筒)でできている。
- 空洞がへこんで元に戻る「トランポリン効果」で打球が飛ぶ。
- 2024年春から、反発を抑えた「新基準バット」に切り替わっている。
そろそろ夏の甲子園の季節ですね。テレビから聞こえてくる「キーン!」という金属バットの音に、「あぁ、夏だなぁ」と感じる方も多いのではないでしょうか。実はあの音、私たち金属屋にとってはとても身近な“あるもの”が出しているんです。
あの金属バット、正体は「パイプ」なんです
金属バットは、アルミの材料を筒状(パイプ状)に加工してつくられています。そう、中は空洞。私たちがふだん扱っている鋼管(鉄やステンレスのパイプ)と、じつは親戚みたいな存在なんですね。木のバットと違って折れにくく、軽く振れるのが金属バットの強み。ボールを打った瞬間の「キーン!」という高い音も、中が空洞の金属だからこそ響く音です。
「よく飛ぶ」ヒミツはトランポリン
金属バットがよく飛ぶのには理由があります。中が空洞のパイプは、ボールが当たった一瞬だけわずかにへこみ、すぐ元の形に戻ろうとします。このとき、まるでトランポリンのようにボールを弾き返す――これを「トランポリン効果」と呼びます。中身の詰まった木のバットにはない、空洞のパイプならではの現象です。
実は今、バットが変わっています
金属バットはよく飛ぶぶん打球が速く、守る野手にとっては危険という声もありました。そこで2024年の春から、高校野球では反発を抑えた「新基準バット」に切り替わっています。芯の部分を少し細く、筒の壁を少し厚くして、あえて飛びすぎないようにした設計です。同じアルミのパイプでも、厚みや太さを少し変えるだけで性能がガラッと変わる――これ、私たちの加工の世界とまったく同じ話で、思わずニヤリとしてしまいました。
今年の夏、甲子園で「キーン!」という音を聞いたら、ぜひ「あれ、実はパイプなんだよな」と思い出してみてください。いつもの熱戦が、ちょっと違って見えてくるかもしれません。よい夏を。
よくある質問(FAQ)
Q. 金属バットは何でできているのですか?
A. アルミの材料を筒状(パイプ状)に加工してつくられています。中は空洞になっており、鉄やステンレスの鋼管と近い構造です。
Q. 金属バットがよく飛ぶのはなぜですか?
A. 中が空洞のため、打った瞬間にわずかにへこんで元に戻る「トランポリン効果」が働き、ボールを弾き返すためです。中身の詰まった木のバットにはない現象です。
Q. 2024年から金属バットが変わったと聞きましたが?
A. 高校野球では2024年春から反発を抑えた「新基準バット」に切り替わりました。バットの径を細く、芯部分の壁の厚みを増やし、打球が飛びすぎないように設計されています。
