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そのパイプ端、どう成形する?

プレス加工でできる5つのこと(管端ツブシ・切り欠け・絞り・孔・突き出し)

2026年08月31日|ATK blog weekly(加工深堀りシリーズ)

執筆:ATKブログ編集部|金属素材を扱う現場の視点でお届けしています

この記事の結論(先にお伝えします)

パイプ・鋼材のプレス成形は、金型(かながた)で材料を一気に押し、狙った形を一瞬でつくる加工です。つくれる形は管端ツブシ・切り欠け・絞り・孔・突き出しなど多彩。ネックは金型の初期費用ですが、ATKは金型を自社製造しているため、比較的安価・短納期で対応できます。数量がまとまるほど有利になる加工です。

3行でわかる要点

  • プレス成形は金型で材料を押し、様々な形を一瞬でつくる加工。
  • 代表的な用途は管端ツブシ・切り欠け・絞り・孔加工・突き出し加工。
  • 金型費用がかかるが、ATKは自社製造で安価・短納期。数量が多いほど有利。

先日、「このパイプの先を平たくつぶして、そこに穴を開けてボルトで留めたい」というご相談をいただきました。いわゆる「管端(かんたん)ツブシ」です。手すりの根元やブレース(筋交い)の端など、身のまわりでも意外とよく見かける形です。実はこれ、切ったり削ったりではなく「プレス成形」という加工で、金型でギュッと押して一瞬でつくります。ひと口にプレスと言っても、現場でつくれる形は管端ツブシ・切り欠け・絞り・孔・突き出しとさまざま。今回は鉄・ステンレスの鋼管/鋼材を”型で押して形づくる”プレス加工を、現場目線で整理してみます。

なぜプレスは「一瞬で形が決まる」のか

プレス成形は、実は最も古い加工法の一つです。刀鍛冶が金属を叩いて形づくるのも、大きく言えば同じ仲間なんですね。金型という”型”に材料を合わせて一気に押し込み、狙った形へ成形する。削って形をつくる切削加工と違い、材料をほとんど捨てずに一瞬で形が決まるのがプレスの持ち味です。

ただし、形ごとに専用の金型が必要になります。そのため一般には初期費用と納期がかかるのが弱点。ここがプレスの”分かれ道”で、つくりたい形と数量によって向き・不向きが出ます。ATKの場合は金型を自社で製造しているため、外注に比べて初期費用を抑え、短納期で対応できるのが強みです。

プレス成形でできる代表的な5つの加工

① 管端ツブシ:パイプの端を平たくつぶす加工です。手すりの根元やブレースの接続部でおなじみの形。つぶした平らな面に穴を開ければ、そのままボルト留めの座(取り付け部)になります。

② 切り欠け:パイプや材料の一部を欠き取る加工です。パイプ同士を突き合わせて納めるときの”逃げ”や、部材どうしのおさまりをよくするのに使います。

③ 絞り加工:材料を狭めるように形を変える加工です。パイプの一部の形を細めるなど、断面を変化させたいときに用います。

④ 孔加工:金型で一気に穴を抜く加工です。同じ穴をたくさん開ける量産で速く・きれいに仕上がります(考え方は以前の「孔あけ」回で触れたプレス孔と同じです)。

⑤ 突き出し加工:材料の一部を突き出させる成形です。部分的に形を張り出させたいときに使います。

全体の利点は「様々な形状を一瞬で成形できる」こと、欠点は「金型が必要なため初期費用がかかる」ことです(いずれもATK溶断・プレス加工の加工特性より)。この初期費用の負担を、自社金型製造で軽くしているわけです。

ひと目でわかる比較表

加工の種類 どんな加工か よく使われる場面
管端ツブシ パイプ端を平たくつぶす 手すりの根元・ブレース端の取り付け座
切り欠け 材料の一部を欠き取る パイプ同士のおさまり・逃げ
絞り加工 材料を狭めて形を変える 断面や径を部分的に変えたいとき
孔加工 金型で一気に穴を抜く 同じ穴を数多く開ける量産
突き出し加工 材料の一部を突き出させる 部分的に形を張り出させたいとき

出典:ATK「プレス加工」ページの加工特性をもとに作成。

選ぶときのコツ ―最初に伝えたい4つの情報

失敗しないコツは、発注時に「材質(鉄かステンレスか)・パイプ/材料のサイズ・つくりたい形・数量」を添えていただくこと。つくりたい形は、見本や手書きの図でも十分に伝わります。とくに効いてくるのが数量です。金型の初期費用は数が出るほど1個あたりに薄まるので、まとまった数ならプレスがぐっと有利になります。逆に1〜数個だけなら、金型のいらない切削や溶断のほうが向くこともあります。「この形、つくれる?」と迷ったら、用途を伺えば見当をつけられますので、まずはご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. プレス加工は金型の初期費用が高いと聞きますが、抑えられますか?

A. ATKは自社で金型製造を行っているため、外注に比べて初期費用を抑え、比較的安価かつ短納期で対応できます。数量がまとまるほど1個あたりの費用は下がります。

Q. プレス成形ではどんな形状の加工ができますか?

A. 管端ツブシ・切り欠け・絞り加工・孔加工・突き出し加工など、さまざまな形状の成形に対応しています。

Q. 発注のとき、何を伝えればよいですか?

A. 材質・材料のサイズ・つくりたい形・数量をお伝えいただくと、用途に応じて最適な加工方法をご提案できます。図面がなくても、見本や手書きの形でご相談いただけます。