夏の夜空を彩るのは、金属? ―花火の色のヒミツ
2026年7月6日|ATK blog weekly
執筆:ATKブログ編集部|金属素材を扱う現場の視点でお届けしています
この記事の結論(先にお伝えします)
花火のあざやかな色は、燃やす金属の種類で決まります。金属ごとに決まった色の炎を出す「炎色反応」という性質を利用していて、赤はストロンチウム、黄はナトリウム、青緑は銅、緑はバリウム。夏の夜空は、いわば金属の花畑なんです。
3行でわかる要点
- 花火の色は、金属を燃やす「炎色反応」で生まれる。
- 赤=ストロンチウム、黄=ナトリウム、青緑=銅、緑=バリウムなど、金属ごとに色が違う。
- 金属の配合を微調整するのが花火師さんの腕の見せどころ。
先日、近所の川べりで今年はじめての花火の打ち上げ音を聞きました。「あぁ、夏が来たなぁ」と。みなさんは今年、もう花火を見ましたか?
ところで、夜空に咲くあの赤や緑や青の花火の色。どうやって出していると思いますか? 実はあの色、私たち金属屋にとってはとても身近な「金属」が生み出しているんです。
花火の色は「炎色反応」で決まる
金属には、燃やすとその種類ごとに決まった色の炎を出す性質があります。これを「炎色反応(えんしょくはんのう)」といいます。たとえば赤はストロンチウム、黄色はナトリウム、青緑は銅、緑はバリウム、といった具合。花火の玉の中には、出したい色に合わせてこれらの金属の粉が仕込まれているんですね。理科の実験でコンロの炎が黄色くなるのも、同じ仲間の反応です。
花火師さんは、金属の魔術師
おもしろいのは、金属を混ぜる配合しだいで中間色やグラデーションまで作り分けられること。ひと粒の光の中に、金属の分量をコンマ何グラム単位で調整する職人技が詰まっています。ふだん私たちが扱う鉄やステンレスとはまた違う金属たちが、夏の夜空では主役を張っている——そう思うと、花火がちょっと違って見えてきませんか。
今年の夏、花火を見上げる機会があったら、ぜひ「今の赤はストロンチウムかな」なんて、色の正体を想像してみてください。いつものドーンという一発が、少しだけ味わい深くなるはずです。よい夏を。
よくある質問(FAQ)
Q. 花火の色はどうやって出しているのですか?
A. 金属を燃やすと種類ごとに決まった色の炎が出る「炎色反応」を利用しています。花火の玉に、出したい色に合わせた金属の粉が仕込まれています。
Q. どの金属がどの色になるのですか?
A. 赤はストロンチウム、黄色はナトリウム、青緑は銅、緑はバリウムが代表的です。複数を組み合わせると中間色も作れます。
Q. 花火の色の作り分けはむずかしいのですか?
A. 金属の配合をわずかに変えるだけで色味が変わるため、繊細な調整が必要です。色のグラデーションは花火師の職人技によるものです。
