「あなたは、なぜ、この会社で働きたいと思いますか?」
先月、中国人実習生の選抜を行うために中国へ行って来ました。
これは、その面接の際に彼らに投げかけた質問の一つです。
当たり前と言えば当たり前なのですが、彼らの答えは全て「お金を得るため」でした。
もちろん、貨幣価値の差が10倍以上ある日本で彼らが働くという事は、一攫千金を手にする感覚に近いと思います。
では、日本の人達に同じ質問をしたら、どう答えるでしょうか?
毎年、ある企業が「就職したい企業ランキング」を発表します。
そこには毎年同じような顔ぶれの企業が並びます。
ただ、その希望の企業に就職できる人は数%に過ぎません。
従って、それ以外の企業に就職する人達は、「なぜ、そこで働くのか?」を自問自答するのかも知れません。
ちなみにエーティーケーの社員の中で、この会社で働く事を目標にして、これまでの人生を費やしてきた人は一人もいません。
仮に一人いるとすれば、この会社を創業した社長のみです。
ほぼ全ての人が、それぞれの人生の過程で「たまたま」この会社にたどり着きました。
単なる偶然と言えば偶然です。
だから、この会社は従業員それぞれの人生の交差で成り立っているのに過ぎないのだと思います。
それは、おそらくどんな企業でも同じだと思います。
目標の企業に就職できた人、ある程度目標の業界に就職できた人、仕方なくそこに就職した人・・・。
それぞれ思いは違うと思いますが、「たまたま」それぞれの人生が交差して成り立っている企業がほとんどです。
一見、企業が人を選んでいるように見えますが、本当は人が無意識の内に企業を選んでいるのかも知れません。
企業としては、それを意識して従業員に接するべきだと思います。
中国で彼らにもう一つ質問をしました。
「仕事をする時に何が一番大事だと思いますか?」
これも当たり前と言えば当たり前ですが、「まじめに・・・」「品質に気をつけて・・・」と答えが返ってきました。
人生の約1/3は、仕事をして過ごします。
そこで、質問を「人生の1/3をどう過ごしたいですか?」と変えれば、彼らはどう答えるでしょうか?
彼らが日本で過ごす3年間で技術とは別に学んで欲しい事があるとすれば、その答えです。
あなたなら、どう答えますか?
K.yamatani