そろそろ恋しい石焼き芋 ―あのホクホク、実は「鉄の釜」の仕事でした
2026年10月5日|ATK blog weekly
執筆:ATKブログ編集部|金属素材を扱う現場の視点でお届けしています
この記事の結論(先にお伝えします)
石焼き芋がとびきり甘くホクホクなのは、「鉄の釜」と中の小石が、じわじわ均一に熱を伝えてくれるから。鉄は熱をためて穏やかに放つのが得意な金属なので、芋をあわてず焦がさず、じっくり焼き上げられるのです。
3行でわかる要点
- 屋台の釜は多くが鉄(鋼板)製。鉄は蓄熱性が高く、冷めにくい。
- 熱をためた鉄と小石(玉石)が、芋を包むようにムラなくじっくり加熱する。
- 芋はゆっくり温めるほどデンプンが糖に変わり、甘くなるといわれている。
夕方、どこからか「いしや~きいも~」とスピーカーの声が聞こえてくると、「ああ、秋だなぁ」としみじみしませんか。先日もつい一本買ってしまい、ホクホクの甘さにうなってしまいました。
なぜ「鉄の釜」なの?
あの屋台の釜、多くは鉄(鋼板)でできています。鉄は熱をためこむ力(蓄熱性)が大きく、一度あたためると冷めにくいのが特長。だから火加減が多少ゆらいでも、釜の中はいつもじんわり一定の温度に保たれます。この「あわてず騒がず」の加熱こそ、芋をムラなく焼き上げるコツなんですね。
甘さのヒミツは“ゆっくり”
芋は、ゆっくり時間をかけて温めるほどデンプンが糖に変わり、甘くなるといわれています。鉄の釜と、熱を抱え込む小石(玉石)が合わさると、芋全体がふんわり包まれるように加熱され、焦がさずじっくり。家庭のレンジが「速さ」の道具なら、鉄の釜は「ゆっくりの美学」。金属の個性が、あの甘さを静かに支えているわけです。
今年の秋、石焼き芋を見かけたら、ぜひ釜にもちょっと注目してみてください。……とはいえ、湯気の立つ一本を前にしたら、やっぱり先に頬ばってしまいそうですけどね。
よくある質問(FAQ)
Q. 石焼き芋の釜は何でできているの?
A. 多くは鉄(鋼板)の釜に、熱をためる小石(玉石)を組み合わせています。鉄は熱をためて穏やかに伝えるのが得意なので、芋をムラなくじっくり焼き上げられます。
Q. どうして石焼き芋は家で焼くより甘いの?
A. 鉄の釜と石がゆっくり均一に加熱するからです。芋はゆっくり温めるほどデンプンが糖に変わりやすく、甘みが増すといわれています。高温で一気に焼くより、低めの温度でじっくり焼くのが甘さのコツです。
Q. 家で石焼き芋に近い味を出すには?
A. オーブンやトースターで低め(160〜170℃目安)の温度にし、時間をかけて焼くとじっくり加熱になり甘くなりやすいです。厚手の鉄鍋やスキレットを使うと蓄熱性が加わり、より屋台の味に近づきます。

