ピンチ or チャンス?

先日、ヤマト運輸が置き配に対応する旨のNEWS RELEASEを行いました。

2024.4.8 ヤマト運輸 NEWS RELEASE

2024年6月10日(月)から個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」の会員を対象に「宅急便」「宅急便コンパクト」の「置き配」での受け取りを可能に

このニュースは世間的には特に驚く事のないNEWSだと思いますが、個人的にはちょっと気になるNEWSでした。

これまでヤマト運輸の同業他社に対してのアドバンテージは「ラストワンマイル」の強さにあると言われてきました。ラストワンマイルの強さとは、簡単に言うと最終的に荷物を受け取る顧客に対する接客力の強さです。ビジネスモデルのケース学習でもよく取り扱われていたので有名な話ではありますが、差別化が難しい配送業界においてヤマト運輸がこの部分を特に大事にしていたことは、よく知られています。

そんなヤマト運輸がラストワンマイルを捨てて置き配を始めます。ただ、置き配に対するジレンマが「クロネコメンバーズの会員を対象に…」の部分によく表れています。ある程度ヒモが付いている顧客ならば大丈夫かも…と思っているのかも知れません。

早くから置き配を取り入れていたアマゾンの商品の配送ですら企業の信念を通したヤマト運輸がジレンマを抱えながら置き配を取り入れざるを得なかった背景に2024年問題があったと思います。この配送業界の環境変化がなければ、今でも置き配をやることはなかったのではないでしょうか?

法改正や人口構造の変化が引き起こす環境変化は、時として自分達が武器としていたものを諸刃の剣へと変えてしまいます。これまでの歴史の中でも自動車の排ガス規制の強化などが典型的な事例としてよく取り上げられてきましたが、それを逆手にとって飛躍する企業が出て来る事も時代が証明しています。

現時点では2024年を境として起こっている環境変化は2024年「問題」と言われていますが、数年後には大きな転換期としてポジティブに捉える企業が出て来るような気がします。

そして、弊社も今の環境変化をポジティブに捉えている企業の一つです。