タイパ

タイパ」と聞くと大阪のおっちゃん達は「タコパ」の親戚かと思ってしまうのですが、全く似て非なる言葉のようです。正式名称(?)「タイムパフォーマンス」。いかに時間を有効に使うか?もしくは、やりたい事をいかに短時間で終わらせるか?これだけを聞くと素晴らしい事だと思うのですが…。

世間的にタイムパフォーマンスを意識する流れは、「時短」と言う言葉から始まった気がします。「世間的に」と言う理由は、製造業の世界では100年以上前にテイラーと言う人が時間研究をした事から始まりトヨタ生産方式などへと繋がってきているので、意外にも製造業を得意とする日本はタイムパフォーマンスの向上が得意な国でもありました。これが若者世代の生活習慣として始まったことは、非常に驚く事です。製造業的に考えると生活において生産性の向上を意識して生きているとも言えます。(向上しているかどうかは別にして…)

ここ最近、仕事においても生産現場以外のシーンでタイパを意識した行動を感じる事が多くあります。基本的にこれまでホワイトカラーの世界で意識する事は「タイパ」よりも「コスパ」でした。ですが、最近は仕事上でも何となくその立場が逆転しているような気がします。

労働時間の制約や人材不足など様々な環境変化の中で現場労働者に影響が出ていると注目される事が多いですが、実はその背景で間接部門への負担がかなり多くなっているようです。例えば、設計現場においては製作時間確保のために発生する工程の歪みが設計時間を圧縮しています。品質管理部門や積算部門も同様の状況だと思います。ここ最近の自動車メーカーの不正にもこれが背景にあったようですが、この問題は自動車に限らず全ての業界に言えることです。その結果、間接部門においては「コスパ」よりも「タイパ」を重視せざるを得ない状況に陥っているようです。

あなたは「安さ」よりも「速さ」、「情報量」よりも「効率」が重視されつつある時代の変化について行けているでしょうか?