新型コロナに気付かされたこと

先日、電話システムの主装置をクラウド化しました。

これだけ聞くとサッパリ意味が分からないと思いますが、簡単に言うと「ネット空間に電話の親機を置いた」と解釈していただければ結構です。その結果、専用の電話機をネットに繋げれば、どこでも子機として使用できるようになりました。当然、スマートフォンも専用のアプリを導入すれば、子機になります。つまりネット環境下にいれば、どこにいても会社にかかってきた電話を受信できるようになりました。同時に文字による伝達をチャットツールに置き換えました。また、受注処理システムはすでにクラウド化済みのため、どこにいても事務所にいる時と同様にほとんどの作業を行えるようになりました。

ただし、今回、変更を行った目的は「在宅勤務」をするためではありません。むしろ、その先を見据えて、脱「在」を行うためにシステム変更を行いました。

今回のコロナ環境下では、今までいかに場所に捉われていたのかを認識させられることが多々ありました。「わざわざ時間をかけて出勤する意味はあるのか?」「出張する意味はあるのか?」「みんなが同じところに集まる意味はあるのか?」など、様々な面に置いて移動と滞在の意味を問いかけるシーンが多かったと思います。反面、人間同士が接する意味も見直された気がします。

例えば、zoomなどで情報交換を行った際になんとなく味気ない感じになったことはないでしょうか?「雑談をやりにくい」とか「相手の雰囲気をつかみ難い」といった声を聞いたこともあります。そんな中、なんとなくムダの意味を考えるようになりました。「会社に社員が集まる事はムダなのか?」「受注に繋がらない会話はムダなのか?」「出張してまで遠くにいる相手の顔を見に行く事はムダなのか?」など、効率だけを考えれば排除した方が良いとされがちな内容についてです。

その結果、私達が導き出した結論は「ムダがあるから面白い」という事です。

以前放送されていた番組の「笑っていいとも!」で、タモリさんが出演者の笑いのパターンをひたすら邪魔する理由を「予定調和ばかりだとつまらない」とおっしゃてたそうですが、まさにお客さんと雑談する中で思いもよらなかったひらめきが生まれれば本望です。その時間を最大限確保するために場所や時間に縛られない環境構築をすることが今回の目的でした。

あとは新型コロナが落ち着くのを待つだけ。今回の事態では様々な障害に見舞われましたが、新たな気付きと行動をもたらしてくれた貴重な機会でもありました。

今回の「有効な非効率を生み出すための効率化」を活かして、次のステップに進みたいと思います。

k.yamatani