先日、テレビを見ていると2008年「現代の名工」に選ばれた尾崎勝さんの特集をやっていた。
同じ金属加工を行っている会社の人間として食いついて見ていたのですが、
数十年前の機械を操りながら精密加工する尾崎さんの次の一言が妙に心に残った。
それは「古い機械ほどヘンな癖が取れて使いやすくて良い機械になる」という一言。
確かカイゼンの指導で有名な山田日登志さんも「古くて単純な機械ほどいろんな事ができて良い」と言っていたのを雑誌で読んだことがある。
最近は、機械の精度や能力が向上しているので難しい加工になるとすぐにそれに頼りがちな気がする。
でも、それって「人が機械を使っているのではなくて、人が機械に使われているのでは?」なんて気になっていた。
そんな疑問を二人の大先輩はたった一言で解決してしまいました。
機械の能力が向上して便利になればなるほど、人の能力は低下していないだろうか?
もしくは自分の能力の低さを機械のせいにしていないだろうか?
冷静に考えれば、機械の能力の向上は自分自身が楽をする為だけのものではないでしょう。
見方を変えて、自分自身がそれを使いこなして次のステップに進む為の物だと捉えれば、
今の自分の未熟さに気がついて勉強の励みになると思います。
「現代の名工」との距離は想像以上に遠いですね。 by keyz