イオンが特定技能外国人を大量採用する方針を発表しました。
イオン、特定技能外国人4000人受け入れ 総菜加工や清掃(2024.6.25 日本経済新聞)
そもそも、この背景には政府の特定技能外国人の拡大方針がありますが、数年前の特定技能外国人受け入れの雰囲気とは少し違った印象を受けました。
以前、ほとんどの企業において特定技能外国人を受け入れる動機の本音は「安い労働力を安定的に確保したい」というものだったと思います。その為、来日した人達に対する待遇や環境が決して良いものとは言い切れない状況が多々ありました。
ただ、今回のニュアンスは少し違っていて、単純に人手不足に対する危機感のようです。特にアルバイトやパートが担っていた単純労働を担う人がいない。今回の採用条件や環境整備等を確認すると決して「安い労働力」とは言えないと感じました。
単純労働を担う人が足りない問題は少子化や税制問題など様々な要因が重なっているので、簡単には解決しないと思います。むしろ問題は、その状況が年を追うごとに厳しくなっていく事です。いずれ、特定技能外国人の受入れでも対応しきれなくなると思います。
また、イオンのような福利厚生が充実した大企業が本格的に特定技能外国人の採用を始めるとそれらが劣る企業は外国人の採用が難しくなるかも知れません。特に今まで安い労働力を求めて技能実習生の存在に依存してきた企業は、より一層、人材の確保に苦しむようになるでしょう。そして、限界はいずれ確実に訪れます。
大手企業の人材不足ドミノが倒れ始めた時が、そのタイミングが近づいてきた合図です。