エコーチェンバー

総務省が情報通信白書の中でふれている言葉の中にエコーチェンバーという言葉があります。簡単に言うと自分と似た興味関心を持った人達のコミュニティの中で意見を交わす事により思考が偏ってしまう状態のことのようです。

この言葉を思わぬところで耳にしました。それは、ボーイングの安全文化に関する報告書の内容についてのインターネットのインタビュー記事です。(NEWSPICKS 2024/5/26【証言】経営陣が現場を軽視。ボーイング「凋落」が始まった瞬間

その中で経営と現場の乖離がそれぞれの部門でエコーチェンバーを引き起こして、様々な問題のトリガーとなったのではないかとされています。

ただ、この状況は大企業のように組織が複雑になるとよくある事だと思います。その昔、「事件は会議室で起こってるんじゃない!現場で起こってるんだ!!」という名台詞もありました。

ボーイングの場合は工場に隣接していた本社を都市部に移した結果、経営層が現場を訪れる機会が大幅に減り、現場内で起こっている問題が経営課題とリンクしなくなったことが様々な問題を放置するきっかけになったそうです。

創業間もない時期は現場と経営者が一体化している場合がほとんどなので基本的にそのような問題は発生しませんが、企業が成長し、世代が変わっていく中で現場と経営層の間に溝が発生することは、よくあることだと思います。

必ずしもそれが問題になるとは限りませんが、自分の周りの顔がいつも同じ状況であったり、同じ立場の人達や同じ業界の人達としか接点がない場合は、無意識にエコーチェンバーの罠に嵌っているいる可能性が高いので注意した方が良いと思います。

ここ最近、同じ人の顔しか見てない方。あなたのことです!