新しい資本主義の旗印のもと、働き方に置いて様々な改革が進んでいます。
6/5 日本経済新聞 終身雇用ありきの退職金 政府が是正、税制と規則一体で
そもそも終身雇用を企業の制度として掲げている企業はないと思いますが、結果として終身雇用の状態になっていた人がほとんどだと思います。
文脈上、まるで終身雇用が悪いように書かれている記事が多いですが、本来であれば、同じ会社に長く務める事が出来るのは素晴らしい事です。問題は、そこに安住して成長を怠る個人や組織の方にあるので、そちらの方をもっと改善出来ればいいのになぁ…と思いますが、それが出来ないから社員の流動化で新しい血を呼び込もうとしているのでしょう。
ちなみに終身雇用を前提とした新卒採用を主にしていた企業からは「新卒の方が自社の文化に染まりやすい」ことを採用の理由にしている言葉をよく聞きます。この「仕事を覚えやすい」ことよりも「文化に染まりやすい」ことを優先することが、終身雇用と呼ばれる環境の源泉であるような気がします。
一方、近年流行りのジョブ型と呼ばれる働き方を志望する人達は「文化に染まる」ことよりも「仕事を覚える」ことを優先します。このミスマッチが転職者がひたすら転職を繰り返すループに陥る原因の一つになっているのかも知れません。
退職金制度等が終身雇用ありきでなくなることは良い事だと思います。
ただし、人材の流動化を目的とするのであれば、企業経営者の平均年齢が20歳ほど若返る必要があるでしょう。変わらなければならないのは、社員よりも企業文化の方です。