技能実習制度の限界

先日、日本経済新聞に技能実習制度の見直しに関する記事が載っていました。

2023.4.10 技能実習「廃止」提言へ 政府会議、外国人材確保に転換

弊社でも2009年から技能実習制度を活用していましたが、弊社が目指す理念と制度の在り方に矛盾を感じたため、2021年の最後の実習生の帰国をもって活用を完全に停止しました。

2009年、初めて仲間に加わった実習生達は3年後に祖国へ帰って一旗揚げる心意気がかなり強く、仕事にも貪欲で、覚えられる技術は何でも覚える勢いでした。当時、そのような若者は(日本には)なかなかいなかったので、こちらもかなりの刺激を受けたことを覚えています。

しかしながら、それから数年経ち、何度かメンバーが入替る過程で、その熱さは失われていきました。

それは日本に来る実習生達の気持ちが変わったからなのかも知れませんし、弊社がそれを提供できなかったからなのかも知れません。

いずれにせよ、ただの人員補充の形で実習生を受け入れることに矛盾を感じて、この制度そのものを活用する事を停止しました。一時期は外国人そのものを採用する事を避ける事もありましたが、彼らから得た事が多くあったのも事実です。結果、採用する基準を狭めることなく、国籍・性別・年齢等は一切関係なく、「あくまで自分達と同じ方向を見てくれる人達」としました。

現在、弊社ではミャンマーやベトナムからきた人達も正社員として働いています。

当たり前のことですが、彼達や彼女達の仕事内容や待遇は一緒に働く日本人達と全く変わりません。そして、彼達・彼女達の頑張りが周りの人達に大きな刺激を与えてくれています。

改めて、国や人種、性別や年齢に関係なく同じ目線に立って共に働く大事さを感じると同時にいつの間にか安い人材を確保する目的にすり替わってしまった技能実習制度の限界を過去に経験した立場として、この記事には思うところがたくさんありました。