どこを見て働くのか?

一般的に「組織」の形をイメージする時、一人の管理者に複数の人がぶら下がっているツリー型やピラミッド型の組織図をイメージされる方が多いと思います。

実は、株式会社エーティーケーには、そのような組織形態が存在しません。

企業運営に必要な必要最低限の経営責任者と各部門の責任者以外は、ほぼ同列の組織形態となっています。

なぜ、そのような組織形態になっているのかと言うと普段の仕事の進め方に理由があります。

当社がお客様から依頼される仕事のほとんどが複合的な加工を含んだ単品モノです。そのため、仕事の進め方に決まったパターンがほとんどありません。決まったパターンがないという事は、各個人が毎回指示を聞いてから動いていては全く仕事が前に進まない状態になってしまいます。また、それぞれの依頼が少ロット・短納期であるため、それぞれが自分で考えて同時進行で仕事を前に進めなければ、納期に間に合いません。結果として、納期や品質の面で大まかな管理はされているものの、基本的な裁量は各個人に委ねられています。

これを可能にしているのが、各個人の多能工化です。それぞれが複数の機械を稼働する技術を持っているため、仕事の手待ちが発生しません。また、各部門の区分けも緩やかなので、仕事の進捗の調整を部門間で容易に行うことができます。

このような状況から、当社には一般的な組織形態が合わないと考えていたのですが、実は、このような状態そのものがホラクラシー型と呼ばれる組織形態になっているそうで、昨今は、意図的にこのような組織形態を選択する企業(googleなど)も出てきているようです。

株式会社エーティーケーの組織形態

実は、この組織の良さを感じた事が最近起こりました。それは、インフルエンザの大流行です。一時期、工場長や副工場長を含む社員の1/4が自宅待機の状態に陥ってしまいましたが、工場内は特にパニックに陥ることなく、柔軟な人員配置で難局を乗り切っていました。その際、人員配置を誰かから指示されたわけではなく、出勤した社員同士で話し合って、その都度決めているようでした。

このように書くと難しい事をしているように感じるかも知れませんが、簡単にいうと学校のクラブ活動みたいな感じです。レベルが高いのか低いのかよくわからない状況ですが、上司の顔色を伺いながら仕事をする環境よりは良いのではないでしょうか?そして、この環境がATK総選挙のような従業員同士の評価を可能にしています。

誰のために働くのか?

なぜ、働くのか?

近年、働き方改革が叫ばれている中、なんとなく世の中の風潮に違和感を感じてしまう今日この頃です。

k.yamatani