先日、盆休みを利用して広島に帰省した際、久しぶりに呉市にある潜水艦基地と広島市にある平和公園を訪れてみました。
ご存じの通り、現在、広島はいろいろな意味で注目を集めています。
2年連続の優勝を目指して奮闘している広島東洋カープ。
それに反して残留争いをしているサンフレッチェ広島。
ここ最近では、甲子園球場で開催されている全国高校野球選手権で快進撃を続けている広陵高校も話題になっています。
このようなスポーツ競技の熱気とは裏腹に、日常においては意図せぬ緊張を強いられています。
先日、北朝鮮がグアムに向けてミサイルの発射実験を行う際の飛行ルートとして、広島上空を名指ししました。
更に呉市には国内においても重要な自衛隊の潜水艦基地があります。
有事の際には非常に重要な港となるでしょう。
そのせいか、訪れた際には妙な静けさを伴う緊張感が漂っていました。
それと対照的なのが、平和公園です。
昨年、アメリカのオバマ大統領が広島を訪れて以降、より一層、世界中から注目を集めるようになりました。
私自身、ここを訪れるのは約10年ぶりです。
そのため、様々な変化を5感で感じる事ができました。
まず、驚いたのが欧米系外国人の訪問者の多さです。
以前、訪れた時は、ほとんどが日本人だった気がします。
そして次に感じたのが、それを意識していると思われる展示方法の変化です。
写真を空間的に配置する事により、5感で原爆の凄まじさを感じる事ができる展示に変わっていました。
展示は物理的な崩壊から放射能による人体への影響、そして精神的な影響へと長い期間にわたって1つの核兵器が影響を与え続けている状況をわかりやすく展示していました。
海外の人達は、核兵器とは何かを一瞬で破壊する兵器(大量破壊兵器)としか認識していない人が多いと思います。
しかしながら、広島にある展示品が示すのは、一瞬の破壊の恐ろしさだけでなく、長期に渡って人々を苦しめる現実です。
それを出来るだけ多くの人達に感じてもらう事が、これからの世界平和にとって重要であると感じました。
広島は、今でこそ平和都市として誰もが知る街になっていますが、戦時中は国内有数の軍都でした。したがって、現在の姿は、その反動であるとも考えられます。
そのような意味において、現在、平和と戦争のイメージをそれぞれ持っている広島市と呉市には、表裏一体の側面があるのかも知れません。
広島を訪れる際は、できれば両方の都市を訪れて何かを感じていただければ…。
少し前の話になりますが、「この世界の片隅に」という映画が話題になりました。
この映画の舞台が広島市と呉市になります。
興味のある方は、DVDでご覧になってはいかがでしょうか?
k.yamatani