8/20未明、広島市大規模土砂災害発生しました。
以前からこの地域では土砂災害の危険が指摘されていたそうですが、これほどの規模で起こることまでは想定していなかったかも知れません。
先週末、今回の災害で友人の実家が被災した関係もあり実際に現場を訪れてみたのですが、テレビや新聞を見てイメージしていた状況よりも悲惨な状況でした。
実際に被害にあわれた方の話では、豪雨が降りだした時点で道が雨水の濁流と化していた為、全く外に出ることが出来なかったそうです。
ちなみに「避難警報が遅すぎた」等の報道がありますが、豪雨が発生した時間帯やその時の状況を考えると仮に早めに発令されたとしても避難する事が出来たかどうかは疑問です。
それよりも最近の日本の気象状況を考えた時に今までの想定が全く通用していない事を思い知らされました。
また、「山裾に住んでいることが問題だ」との意見も聴かれますが、平地の少ない地域では通用しない意見だと思います。
当然、ある程度のリスクとメリットを相殺した上で場所を選んでいると思うのですが、あくまでリスクを想定する条件は、それまでの気象条件がベースになっているので、近年の集中的な豪雨は想定されていなかったと思います。
実際、自分自身もこの地域に近い場所で10年近く暮らしていましたが、この山がこれほどの規模で崩れる事は想像すら出来ませんでした。
(左:土砂に埋もれた家 右:土砂で塞がれた道)
(左:破壊された住宅の基礎 右:折れた電柱)
自然環境の変化に合わせて防災の意識を改めることは重要だと思いますが、住宅の立地場所や構造までは簡単に改めることが出来ません。
まして、先祖代々受け継がれた土地の場合は、尚更だと思います。
メディアの中では結果だけを見た安易な分析が目立ちますが、被害にあった方々のそれまでの歴史や経緯をベースに考えなければ、本当の対策は打てないと思います。
現場では、早朝からヘリコプターの騒音を撒き散らし、わずかに確保されている道を「感動ネタ」を求めて集団で歩き回る人達が、どれだけ被災者の気持ちを代弁しているのか?と感じる部分がありました。
それでも現場には、自衛隊や警察、救助隊員、ボランティアなど、善意の気持ちがたくさん溢れていた事に救いを感じました。
犠牲者の方々のご冥福と被災された方々の健康の維持と一刻も早い生活環境の回復をお祈りしたいと思います。
K.yamatani