世代の宿命

 

「65歳を超える世代が全人口の25%を超えました。」

 

先日のニュースです。
予測通りの展開とは言え、本格的に高齢化社会に突入した感じがしました。
いわゆる「団塊の世代」と呼ばれる方達が、その年齢に達してきたのが一番の理由だそうですが、今、中小零細企業で問題になっているのが、全く逆の「若年化」です。

 

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統計上、「団塊」と「団塊ジュニア」の世代が多いのが目立ちますが、統計に表れてないのが景気の変動です。
皆さん御存知の通り、中小零細企業の人材確保は、世代の多さに関係なく、有効求人倍率の高さに反比例します。

 

その変動が最も大きかったのが、バブル崩壊の前後です。
正直、バブル時代に就職活動をした人は、まずは一部上場企業志望(もしくは地元の有力企業)だったと思います。
小さな会社は、いわゆる3K(キツイ・キタナイ・キケン)と呼ばれる企業も多く、就職活動が売り手市場だった時代には敬遠される事が多かったのではないでしょうか?

 

その真逆が、バブル崩壊後に就職活動をした世代です。
過剰な人員の調整のあおりを食らったこの世代は、選択の余地があまりありませんでした。
今ほどインターネットも普及していなかったので、情報不足だったことも否めません。
(昨今の現状を考えると、その方が良かったとも感じますが・・・)

 

そして「団塊ジュニア」世代が、その時代にピッタリとハマってしまいました。
フリーターや派遣企業への就職が増えたのもこの時代です。
中小零細企業においても、募集人数に対して定員以上の応募が集まりだしました。
その結果、中小零細企業では50歳前後に対して40歳前後の人数が圧倒的に多い状態に陥ってしまった企業がたくさんあります。

 

 

最近、中小零細企業において「団塊」の世代がコントロールしていた組織を「団塊ジュニア」の世代に一気にバトンタッチする現象を見かける事が多くなってきました。
また、逆にそれが出来なくて身売りを選択する企業も見かけます。
あるいは、そのどちらも選択できずに中間管理職のメタボ状態に陥ってしまっている企業も見かけます。

 

日本経済の歴史を考えると、「いざなぎ景気」以後の時期にも「団塊の世代」が同様の状態に陥りました。
しかし、この時期の人達は若いエネルギーを最大限に発揮して、その後の高度成長期の原動力となりました。
ある意味、その後に訪れるバブル経済は、勢いが付き過ぎて止まらなくなった若気の至りかも知れません。
結果、バブル崩壊のおまけが付いてしまいましたが、世代の歪みをチャンスと捉えて日本経済を底から押し上げた功績は立派だと思います。

 

 

今後、労働人口は減り続け、経済の活力が失われていくと言われています。

 

「将来半減する生産人口の中で現状を維持する為に必要な生産性の向上をどう成し遂げるのか?」

 

これから団塊ジュニア世代に求められる使命は大きいと思います。

 

k.yamatani