中国の古いことわざに「愚公山を移す」と言う話があります。
簡単に言うと「毎日少しずつでも山の土を削っていけば、そのうち山が移動する(無くなる)」と言う話なのですが、この話は大きな目標を達成する方法として、とてもいい例え話だと思います。
(話のオチは、ちょっと「?」ですが・・・)
大きなことを成し遂げようとするには、大きなエネルギーが必要です。
でも、日常生活や普段の仕事の環境で、そんな時間やパワーが有り余っている人は、ほとんどいないと思います。
だから、大きな事をやろうとすればするほど、小さな力の継続が必要になってきます。
よく何かをやるのに「時間がない」と口にする人がいますが、僅かな時間すら作れない人は稀だと思います。
何かの待ち時間、電車での移動時間、休憩時間など、僅かな時間であれば簡単に作ることが出来ます。
その間にできることを考えて、それを継続すれば、いずれ大きな力になります。
一気にやろうとするから「大きな時間」や「大きな労力」が必要になるのです。
今、ロシアのソチでは、パラリンピックが開催されています。
健常者ですら難しい競技を素晴らしい技術で克服していく姿には、関心させられるばかりか、感動すら覚えます。
今回、パラリンピックに参加されている選手の方々に限らず、何らかの障害を抱えながらスポーツに取り組んでいる方々には、まさに山を移動してしまう程の日々の努力とその継続があったと思います。
そこには障害が「ある」か「ない」かの区別はありません。
そこにあるのは、「やる」か「やらない」かの区別だけです。
あらためて、選手達の姿によって努力の継続の大切さを思い知らされました。
今回のオリンピックに関して、気になることをもう一つ。
今、世界を賑わしているウクライナの政変です。
この政変は、ロシア寄りの政策をとる大統領を廃して、EU寄りの政策をとる集団が実権を握ろうと動いた事がきっかけです。
当然、彼らが一番懸念していたのは、ロシアの動きです。
当事者ではない自分は、今回、政変を起こした背景や理由を深く知るよしもありません。
ただ、どちらの行為が正しいかどうかは別にして、敢えてロシアが身動きを取りづらいオリンピック期間中に行われた政変に若干の違和感を感じました。
結果として、平和の祭典を利用して行われた行為は、世界の平和を遠ざける行為になりました。
「オリンピック開催期間中はロシアでも動かなかった」 というオリンピックの間違った威厳が、今後一人歩きしない事を望みたいと思います。
k.yamatani