変化の一年

関西地方の新年の行事と言えば、十日戎。

今年も1月9日~11日にかけて行われました。

 

毎年ATKの社員数人で参拝するのですが、今年はここ最近の中で一番人が多かった気がします。

こんなところにも選挙後の株価の上昇やアベノミクスと呼ばれている経済改革への期待が現れているのかなぁ・・・と思いました。

 

ただ、鉄の材料を扱う立場としては、アベノミクスと呼ばれる改革を手放しでは喜べません。

単純に円安になれば、輸入されている鉄の素材が値上がりするからです。

ちなみに、ここ最近の急激な円安の影響で輸入価格が1ヶ月で1割近くも上昇しました。

 

確かに輸出企業が潤うことによって日本国内の景気が徐々に良くなるかも知れませんが、輸出を行なっている企業自身もせっかく円安で業績がよくなったのに簡単に素材の価格上昇を受け入れてくれるとは思えません。

結局、この改革で潤うのは輸出関連の大手企業ばかりで、立場の弱い国内の零細企業は当分の間、仕入れ価格の上昇で逆に苦しい状況を強いられるでしょう。

経済の状況が株価の変動で判断される世の中だけに、株価の変動に大きく影響する輸出関連企業の業績を重視する政策を優先することはやむを得ない部分がありますが・・・。

 

結局は、環境の変化に期待するのではなく、自分達で変化を起こしていかなくては生きていけない時代ということですね。

ただ、毎年同じ日に笹を片手に神社を参拝する行事のように「変わらない」こともまた大事な気がします。

 

何を変えて、何を変えないか?

これから問われるのは、そういうことなのかも知れません。

k.yamatani