情報の糟粕

先週末、中国人研修生の選抜を行うために中国の威海市へ行って来ました。

 

この街へは初めて行ったのですが、今まで訪問した中国の街の様子とは少し違った印象を強く受けました。

 

大都市から少し外れた街と言うこともあって商業ビルが立ち並んだ街の風景ではなく、郊外にマンション建設が進んでいる以外は、むしろインフラ整備優先の計画された都市のイメージを受けました。

 

過去に訪問した都市は、街の発展にインフラ整備が同時進行(場所によっては後追い)のイメージが強く、あちこちで発生する渋滞の中で響くクラクションが雑然とした印象を強く残した気がします。

 

 

今回訪問した先の送り出し機関の社長は、まだ40代前半の活力あふれる方でした。

 

今までであった中国の社長は、どちらかと言うと成り上がり風の威張った人が多かったのですが、この方の場合は強いリーダーシップの中にも謙虚さと社員への思いやりがある素晴らしい方でした。

 

そして、その違いに何となく世代の違いを感じました。

 

もちろん日本と同じように場所や年齢に関係なく様々なタイプの社長が中国にもいると思います。

 

ただ、なんとなく世代の違いを感じたのは、直接あった時の空気の違いからです。

 

以前、お会いした50代以上の方々の場合は、どちらかと言うと「日本」への対抗心が見え隠れしていたのですが、この世代の人達は「世界」への意識の中での「日本」との付き合い方を意識している感じでした。

 

おそらく、この10年間で世界を席巻している中国企業の存在が彼らに与えた影響が大きいと思います。

 

それに対して、日本の同世代の中小企業経営者はどうでしょうか?

 

何となく自信を失っているこの国で自分達が進むべき道も見失いがちな空気ですが、例え世界に進出できる規模の企業でなくても常に世界の変化への意識を強く持ち、自分達の進むべき道をしっかり見据える事は大事だと思います。

 

そんな事を教えられた今回の中国訪問でした。
 

 

どこに行っても実際に触れ合えば、教えられる事がたくさんあります。

 

今回の件も実際に会って話をしなければ、何も感じなかったかも知れません。

 

「書物に載っている事は、先人の糟粕に過ぎない」

 

数千年前に語られているとおり、世の中には、直接肌で感じなければわからないことがたくさんあります。

 

インターネットが普及した現在ではネット上に情報が氾濫していますが、古人に言わせれば、それは情報の糟粕なのかも知れません。

 

「簡単に手に入れた物は、簡単に失う」

 

そんな言葉もあったような気がします・・・

 

k.yamatani