予測可能な未来

「世界の人口が70億人を突破しました」

 

 

このニュースを聞いた時に「もう?」と思った人が多いかも知れません。

 

正直、自分の中では60億人を突破した時の記憶すらありませんでした。

 

人口の急激な増加が世の中にどのような影響を及ぼすのかは詳しくはわかりませんが、今までの人口増加とこれからの人口増加では、経済に与える影響に違いがあるのではないかと思います。

 

いろんな人口予測の資料が発表されていますが、これからの人口増加の地域は「アフリカ南部」や「インド」など比較的貧しい国が上位に来ると予想されています。

 

基本的に人口が増えれば、消費量も増えるので自然なインフレと流通量の増加で経済規模が拡大していくのですが、ここ最近の人口増加は貧困層主体の人口増加であったために先進国に様々なデフレ要因を発生させてしまいました。

 

特に製造業においては製造コストの低下だけにおさまらず、貧困層をターゲットにした製品価格の設定によって製品全体の価格が引っ張られる状況が発生しています。

 

デフレを伴う経済規模の増加は、資本主義経済の歴史の中でも稀な現象ではないかと思います。

 

もしかすると今後の人口増加がこの変化に拍車をかけるかも知れません。

 

逆に現在の貧困層が富裕層へと変化して、正常な経済発展へと変わっていくかも知れませんが、バブル的なインフレを伴う可能性が高いので短期的な変化はあまり歓迎できません。

 

ただ一つ思うのは、日本のように中間層が多くを占める人口構成の中で行われてきた「中間層をターゲットとした製品づくり」と言うのは、これから変わってくるのではないでしょうか?

 

最近の貧困層をターゲットにした製品の充実により「求めすぎない選択肢」も増えてきたと思います。

 

逆に富裕層は、ありふれた製品価値に嫌気がさして「本物の価値」を貪欲に追求しているように思えます。

 

一見、貧困層と富裕層とでは求める製品価値は違うかも知れませんが、両者だからこそ「所有したい」と思わせるシンプルな価値観が重要になってくるのではないでしょうか?

 

おそらく、これから開発される商品は、コンセプトがどんどんシンプルになってくると思います。

 

 

商品の体裁を機能や外見で整えた製品では、市場で生き残るのが難しい時代になっています。

 

これからの購買層が何を求めて何を求めないかをよく見極めて、貧困層にも富裕層にも通用するシンプルな「本物の価値」を軸に据えた製品づくりやサービスが自分達に出来るのか?

 

未来に押し寄せる人達が問いかけているような気がします。

 

k.yamatani