貞観政要の中にこんな有名な言葉があります。
「君は舟なり、人は水なり。水はよく舟を載せ、またよく舟を覆す」
今、中東で起こっている数々のデモを見た時に真っ先にこの言葉を思い出しました。
世の中は常に変化して、人も常に変わっています。
それは別に難しい勉強を行わなくても誰でも知っている事ですが、ほとんどの人が変化に対して受身なのではないでしょうか?
それゆえに為政者や経営者が常に求められている事は、世の中に変化に対応するためのイノベーションを起こし続ける事だと思います。
それは、本来、各個人が自ら起こさなくてはならない事なのですが、組織や法に守られた世界にいると無意識の内にそこに依存してしまいます。
そして、いつの間にかそれが当たり前になる。
インターネットが起こした情報革命は、今まで濁って見えなかった部分をクリアにしました。
そして、中東地域の国々では自分達がいかに依存のために高い代償を払っていたのかが、鮮明になってしまった。
それを取り戻そうとする動きこそが今回の中東の騒乱の発端ではないかと思います。
ただ、今回のデモは大きな後遺症を残すのではないでしょうか?
それは単純に水上の船を転覆させる事が目的で、次の船の姿が見当たらないからです。
イノベーションは、常に破壊と創造がセットメニュー。
載せる船がなければ、ただのキレイな水たまりです。
K.yamatani