情報の選択と思考

総務省の、平成20年「通信利用動向調査」の結果によると(平成21年4月7日発表)、

国内のインターネット利用者数は9,091万人、人口普及率は75.3%(前年比23ポイ

ント増)に達したそうです。
今や日本では、インターネットを利用することが当たり前の世の中になっているよ
うですね。

インターネットの普及のおかげで、誰もが情報の発信源になることができるようにな
りました。これは、今まで受動的にしか情報を受けることができなかった多くの人々
が、自分から進んで必要な情報を集めることができるようになったという点では、恐
らくいいことなのでしょう。

そこで心配になってくるのが、情報の取捨選択です。
誰でも情報を発信できるということは、裏を返せば、伝聞にしか過ぎないことを、さ
も本当のことのように伝えたり、いい加減な思い込みの情報でも簡単に流すことがで
きるということですよね。
そういう意味では、インターネットの世界はまさに玉石混交、本当に自分が必要とす
る情報が、正しいのかどうかということにまで気を配らないといけなくなっていると
いうことです。

そんな中で、最近よく読んでいるいるのが、ニセ科学批判に関するサイトです。
特に興味深いのが、大阪大学の菊池教授が管理するブログ「kikulog」で、こ
こでは、菊池教授がカテゴリ別に様々なエントリを提示し、そこにいろんな意見を
持った人がコメントを付けていくという形式になっているのですが、様々な考え方の
人が書き込んでいて、「科学的思考」あるいは「懐疑的思考」ということについてと
ても勉強になるサイトです。

さて、このサイトでもよく指摘されているのが、誤った情報を信じ込んでしまう人の
多くが、ある時点で「思考停止」状態になってしまっているのでは?ということなの
ですね。確かに膨大な情報を前に、自分でいろいろと確認作業を行うよりは、権威の
ありそうなひとに「これが正しいのだ!」と言ってもらった方が楽ですから。
でも、ここに落とし穴があるのでしょう。思考停止するということは、その後の判断
をすべて人任せにしてしまうということでもありますから、極端な話、自分の生き方
までを放棄してしまうことになりかねませんよね。

話は飛びますが、これは仕事についても言えるようで。
やはり、いい仕事をしようと思えば、試行錯誤をしながらでも自分(たち)で考え、
少しでも良い方法を見つけていく、というのが必須であるように思います。
年齢や経験に関係なく、常にいろんなことを学び続ける日々でありたいですね。
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