世界保険機関が新型インフルエンザのパンデミック警戒レベルをフェイズ6に
引き上げました。
パンデミックというのは、世界流行というような意味だそうですが、言葉の響きが
なにか「パニック」に似ていて、ちょっと恐怖感を煽る感じですよね。
この警戒レベルの判断は、流行の度合いを示すもので、細菌の毒性を表すも
のではないので、よく注意しないと、それこそパニックになりかねません。でも、
言葉が人の感情に訴えかけてくるということはよくあるようです。
百年に一度と言われる昨今の大不況も、確かにその渦中にいる我々にしてみ
れば、大変苦しい思いをするわけですが、経済学ではバブルは大体五十年に一回
くらい起こるし(最近では十年周期くらいになっているようですが)、百年に一回の
不況と言うのは、経済循環からみれば、十分に起こりうることで、今更なにを慌てて
いるのか、という観がないわけでもありませんよね。それでも、連日のように「不況」
「不況」といわれると、なにか気分まで滅入ってきます。
最近出た本に「経済は感情で動く」というのがありますが(読んでいないので内
容は知りませんが)、なんとなく分かるような気がしますよね。みんなが諦めムード
になっているから、よけいに景気の回復も悪いんじゃないかって・・・。
ところで、この「諦める」という言葉、仏教ではもともと「明らめる」といって、物事を
「明らかに観る」という意味があるんですよね。
ネガティブに「もう、どうしようもないや」と捉えるのではなくて、一体今はどういう時
なのかを「明らかに観る」、そうして、どういう手を打っていくべきかを智慧を出して
考えていく。そういうポジティブな姿勢が大事なんじゃないでしょうか。
決して楽観はできる状況ではありませんが、それでもいい方向に物事を考え、何か
を生み出していきたい、そう思う今日この頃です。
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